日記へ(2022.03.07)

別に毎日書く必要はないのだが、これで3日目になる。
3日目にして特に書くことがないので、歯の話でもしようか。


永久歯が生えなかったところに入れ歯を一本入れているのだが、私は噛み合わせが通常よりかなり深く、長くて2年ほどで噛み割ってしまう。
前回は作って1カ月ほどで割れてしまい、うんざりして半年ほど放ったらかしにした後、重い腰を上げて歯医者に行ったところ、また噛み合わせに関して指摘があり、そのときおぼろげに過去を思い出した。

その記憶によると、私は自ら噛み合わせを深く噛みしめるように矯正したようである。
小学低学年のある時期に、何のきっかけもなく急に、口を閉じた時に下の歯が隠れるくらいにしっかり接着しなければという脅迫観念にとらわれた。

たぶんそのとき毎日のように歯をずらして深く嚙合わせることで自力で矯正させたのだと思う。そんなことがあるのか。
ユングの著にも似たようなことが書かれていたような気がする。どのような処置を施しても舌を喉の奥まで引っ込めてしまう少年の話。


それに関連して思い出したこと。同じ時期に歩き方が分からなくなった。
一歩足を差し出す度に、どのように浮かせて、どのくらいの幅で、どの位置に着地したら良いのか、急に分からなくなって混乱したのを覚えている。
今まで自分はどのようにして自然に足を運ばせていたのか。歩く人を目を凝らして観察しても分からず、しばらくはよろけながら歩いていた。


どのような処置を施しても自力で変形させてしまう。
たとえば私の身体は風船みたいなもので、外界の圧が高ければ萎んでしまうか、抵抗を続けようと膨れ上がってしまう。そして、いつかパチンと。