群青とセピア

夕泳と申します。作品のこういうところが美しい!ということを語ります。基本的にネタバレあり。コメントご自由にどうぞ(^^)d

カウンセリングにて心の変容過程

 

 

成人しても心が未開な人が自己を認識するのは大変である。

思い返せば、社会人になる前からカウンセリングでの先生との会話の残骸が私の心の変容に強く影響してきた気がする。
今はそういう時期かもしれない。

 

社会人になる前、カウンセリングで先生は私に

「 仕事は宇宙や夢で、帰ってからが現実だと思えばいい 」

と幾度か繰り返した。


案の定、成人しても無意識の海の中に埋没していた私は仕事でけちょんけちょんになる。
このとき私は先生の発想(というよりほぼ誘導に近い)を拠り所として

仕事( 夢 )と家( うつつ )の狭間をさ迷う。


仕事をしている間中、高校で習った「 胡蝶の夢 」の漢詩が頭に浮かび、
荘子を読んで、周りの喧騒は、木のウロを通る風の音がするだけなのだと精神統一をはかっていた。

 

仕事をやめ、夢とうつつをキーワードにユングフロイトを読みふけり、初めて外の世界は内面を通して見ている歪んだ世界ということを理解し、夢、狭間、うつつ( うつつは最も複雑怪奇な夢 )の秩序と混沌を理解する。

 

 

しばらく後のカウンセリングで

私が海外の古典童話の話をしていたところ、先生は「 不思議の国のアリス 」の" 飛び出す絵本 "を持ってきた。


初めの頁の端にあるジャバラを伸ばし、覗くよう促されると、アリスが( ジャバラの )穴の底へ落ちていくのが見えた。
そして物語を次々に追い、最後に先生は

「 私はこのシーンが特に好きなのよ 」と開いた。
そこにはトランプの塔が崩れていく様子が立体の切り絵で見事に再現されていた。
先生はそれを色々な角度からしばらく眺め細部を示し、「綺麗ねえ」と私に印象付けた。

※印象付けたと書いたがそのときの私には印象付けられたという強いられた感覚は無かったし、たまたま私がそういうメッセージを受け取った、くらいの意味合いである。

 

アリスの初めのシーン、「 穴へ落ちていく 」のは無意識の層へ落ちていく様子である。それは調度そのときの私の精神状況でもあった。
そして重要な最後の頁、「トランプの塔の崩壊」は、再生するための死だ。
先生は、私自身がこれまで築き上げてきたボロボロの城のようなものを「壊せ」というメッセージを送って下さったのだろう。

壊して、これから新しく造っていけばいい。

 

 

 

そして最近のカウンセリング。
私は先生に現代の生け贄の話をしていた。
先生は古代と現代の生け贄とでは「 罪の意識が違う 」と言っていた。
私はまた、このときから生きることの罪と罰について考え出したように思う。人は十字を背負って生まれてくるということを。