群青とセピア

夕泳と申します。作品のこういうところが美しい!ということを語ります。基本的にネタバレあり。コメントご自由にどうぞ(^^)d

ゴールデンデイズ 考察2

過去の記事の補足として。

ゴールデンデイズの構造が素晴らしく綺麗という話。

ゴールデン・デイズ 第8巻 (花とゆめCOMICS)

物語の魅力的なシーンや、このために自分は何度も映画や本を求めてしまうのだと思う瞬間のほとんどは、抑圧の解消、主人公が自分だけの真実を見つけたとき……等、悟りの境地が描かれたときではないだろうか。

つまり物語を描くということは、究極的には曼陀羅を描くことだも言える。

 

 

「ゴールデン・デイズ」は、主人公(光也)の曾祖父が死ぬ間際に、光也が大正時代へ半ば強制的にタイムスリップさせられるところから始まる。

これは曾祖父の抑圧(生きてこれなかった半分の自分)が引き起こしたことであり、それは親友の仁を救うことができなかった過去への後悔だった。

そこで光也が大正へ、抑圧(親友の仁)を救う旅に飛ばされる。

 

ここで注目したいのは、光也が曾祖父と顔が似ているので、始めは仁に同一人物だと勘違いされるが、後に別人として受け入れられる過程が描かれているところだ。

これは、転移の病理を扱った問題であり、心に閉じ籠っていた人が、意識と無意識の区別をつける決心をも意味するのではないだろうか。

 

紆余曲折の末、

仁は憎く見えた世界が優しく見えるようになり、世界も自分も愛するようになる。

光也は母親コンプレックスを乗り越え、

曾祖父は全てが報われ、心置きなく成仏できる。

 

主人公、曾祖父、仁、それぞれに自分だけの真実をつかみ、それぞれの次元でコンプレックスを解消して完結する、綺麗な構造を成している。

 

人を救うということは、互いに影響する、次元を越えた抑圧の解消なのだということを考えさせられた作品だったと思う。