群青とセピア

夕泳と申します。作品のこういうところが美しい!ということを語ります。基本的にネタバレあり。コメントご自由にどうぞ(^^)d

きょうはなんのひ? 瀬田貞二

ミヒャエルエンデの児童文学作品、「ジムボタン」では「曼陀羅」という国が描かれ、綿々と繋がる運命の中の運命…を表現している。

またその国に生息する象牙細工師の描写では、運命という制約の中にいる人間の生涯を、更に入れ子構造で捉えている。

 

このようにミヒャエルエンデの作品ではしばしば「入れ子構造」を示唆している。

大きな物語のなかにある、小さな物語、そのまた小さな物語…という風に。

 

入れ子構造」を分りやすく図解すると次のようになる↓

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ここに2つの意識体があるとしよう。

外側の大きな円がA、内側の小さな円がBとすると、

いちばん外側のAに刺激hが加わると、その影響はAに及び、同様に内側にあるBにも及ぶ。

 

 

ここでやっと今回の本題である「きょうはなんのひ?」という絵本について語るところまできた。

きょうはなんのひ? (日本傑作絵本シリーズ)

この絵本は、お母さんとお父さんの結婚記念日に娘である、まみこがプレゼントをする話だ。

このプレゼントの箱が「入れ子構造」になっている。

プレゼントの箱を開けると小さな箱があり、その箱を開けるとまた箱…というように、箱を繰り返し開けていくと、木の実が2つ。

紫の竜の髭の玉と、 赤いナンテンの実で、むらさきずいしょう、 おとうさん。 あかいルビーがおかあさん。

である。

 

入れ子構造」は宿命、必然、制限を意味する。

お父さんとお母さんの結婚は運命的な出会いなのだと、祝福する思いのアイデアだったのだろうか。