群青とセピア

夕泳と申します。作品のこういうところが美しい!ということを語ります。基本的にネタバレあり。コメントご自由にどうぞ(^^)d

ゴールデン・デイズ

 

ゴールデン・デイズ

ゴールデン・デイズ 1 (花とゆめコミックス)

じいちゃん(慶光)の親友(仁)を助けるため、不可抗力で過去へ飛ばされた光也。

その時代の身分格差や外国人差別、慶光の父母が亡くなった事件の陰謀を

じいちゃんの親友、仁(じん)と光也(みつや)が解いていくタイムスリップ大正浪漫。

 

 

で、これは一応BLです。

じいちゃんの親友、仁はじいちゃん(慶光)にベタぼれ。

これはハーフの仁をいつも真っ直ぐな誠実さで庇ってくれたのが慶光だったため。

 

<図> お互いを守る関係性

                                 仁

誠実さを                              

汚されたくない  ↓      ↑  差別から守る

 

                                慶光

 

仁は慶光とパートナーになりたがったが、

慶光は地位や名誉を尊重し、永遠の友情を願う。

この辺の意見の相違で色々拗れはじめ、色々な不運が重なり、最悪な結果を招くことになる。

 

ここに、慶光の未来の孫、光也が仁を助けにやって来るのだが…。

 

ざっくり書くと、その時代を生きていた(仁が愛していた)慶光と、

時を越えてきた光也が入れ替わってしまう。

 

最初こそ信じてもらえず、

          仁  → 光也(慶光だと思われている)

は基本的に変わらず、

2人で様々なことを経験するうち、

 

仁は慶光と光也は全くの別人だと受け入れる。

 

光也が関わる前の仁は、

慶光のためなら自分が死んだっていい。

という自分と慶光だけの2人だけの(妹ビショップも含む)閉じた世界にいた。

 

その仁を、光也は光也なりのやり方で彼の心を溶かしていく。

 

ここで重要なのが、

本来(光也が未来から過去を変えにやってこなかった場合)

慶光に執着するあまり自らを不幸にして悲惨な最期を迎えるはずだった仁を

 

光也が救ったということ。

それは(慶光にはなし得ない)光也にしかできなかったということ。

 

それを理解したとき、はじめて仁は光也を光也として好きになるだが…。

 

 

よくある話、

ようやく両思いになったときはタイムリミットが近づいてきて、光也は未来へ帰ってしまう。

ここがとても切ないんですよねえ…。

 

最後はお互い離れていても心は幸福、切ないけれどもハッピーエンドでした。

 

取り残された仁はその後、戦争に従軍し、一生独身のまま、殉死。

 

 『昔、私が不幸であることを許さないと言ってくれた友がいた。

この記憶がある限り、

私はもう一生幸福なままだろう。

彼のために世界を守る。』

 

もうひとつだけ、面白いなーと思ったのが、光也も仁も、母親にコンプレックスを持っているという共通項がある点ですね(この母親のコンプレックスは、お互いに良い影響を与え、乗り越えていく)。

blというジャンルは主に親に問題がある人に好まれるという偏見があるにはありますが。

 

なんとも形容し難く、またこのブログでもうまく説明できなかったのですが、心にそよ風がそっとふくような優しさと切なさがある漫画でした。

 

おっさんズラブやファッション腐女子など、露出も多くなってきた今、一歩間違えると俗物的にもなりかねず、また変化してきている概念ではありますが、

 

BLというのはまだまだ少数派なので

blを描くということはつまり、

マイノリティに優しい世界線を描くことになるのです。

 

自分を大事にすること、コンプレックスを乗り越えていくこと、お互いを支え合うこと

等々、この辺りの描写が

この作品は丁寧だったと思います。

そこが『優しい』と感じたいちばんの要因でしょう。

 

とてもおすすめです。

是非読んでみてね。